朝の便で新千歳空港に着いたら、レンタカーに乗り込みコップなどもろもろの物資を調達し、森へ移動。初日は二ヶ所にコップを埋めます。
さすが北海道広いなぁ、、、(頭悪そうな感想)
どんなところにオオルリオサムシがいるのかよく分からないのでなるべく色んなところにコップを仕掛けてみます。コップ埋めに集中せねばと思いながらも良さげな土盛りや材があるとついつい手を出してしまう、、、。もうオオルリオサムシが冬眠から目覚めて活動を始めていることに賭けてコップトラップを仕掛けてるのでもし土中からオオルリが出てきてしまったら軽い絶望なんですがね。
結局初日はポイント1と2合わせて370個のコップを埋めました。途中は意外とペース良くコップを埋められて、「これ二日で1000個余裕で埋められるっしょwww」なんてほざいてましたが日が傾いてくると急に寒くなりそうそうに車に逃げ帰りました(笑)。
しみるぜ。
さて、二日目。今日も引き続きコップを埋めます。
今度は北の方に埋めてみよう!ということで石狩川河口近くの海岸林へ向かったのです、が、意気揚々と森に入ってみるとそこは一面の笹!笹!笹!
笹があってもオオルリはいるそうですがこんなんじゃ入れないし、、ダニ怖いし、、ということで撤退。
その後何ヶ所か回ったのですが、下草だの保護区だのでなかなかコップを埋められる場所が無い!こうして予定が狂うと事前の調査不足がたたります(ちゃんと調べとけって話)。何時間かグダった後結局ポイント1にほど近い森にコップを仕掛けて二日目終了。全くわざわざ北海道まで来てただのドライブじゃ何をしに来たのやら、、、。みなさん、北海道は広いので事前調査はしっかりと。
さあ気を取り直して三日目。元々の予定では今日はフリーデイだったのですが流石にこのままではコップの数が少なすぎるので昨晩急きょ調べたポイントへ。
しかしまあ何事もうまくいかないものでここも下草&結構な斜面、、、。何だか戦意喪失してしまいまわりをヒラヒラ飛んでいたクジャクチョウに目移りしだす始末。
こんなこともあろうかとクジャクチョウを最初に見かけた初日に百均で子供用の網を調達しておきました。地元ではそうそうお目にかかれませんが北海道ではどこに行ってもたくさん飛んでいましたね。
オオルリのことを忘れつつある一行は北海道の御当地マイマイ、エゾマイマイカブリが欲しいな~、なんて言い出しお次は河川敷へ。
さすが北海道、河川敷も広い。
オオルリオサムシはよく分からないがマイマイカブリならこの冬たくさん経験値を積んだぞ!なんて思いながら今度こそ意気揚々と河川敷に突入するも、、、
出ねえ!
何も出ねえ!
どんなに良い立ち枯れを割っても一向にエゾマイが出ない。みんなでばらけてしばらくあがき、ついにエゾマイの死体が一匹だけ出たところで緊急電話会談。
「なぁ、これもうエゾマイ出てね?」
「お前もそう思うか、、、」
そう、そうとしか思えない。エゾマイは恐らくすでに永い眠りから目覚め活動を開始しているに違いない!じゃなきゃこんだけやって出ないわけないもん。
というわけで急きょ予定を変更しこの河川敷にコップを仕掛けて撤退。
三日かけて設置したコップトラップの総数は720個。いよいよ明日からコップの回収です。どうなることやら、、、。
やってまいりました、ドキドキの四日目。今日は一か所だけ、初日に仕掛けたポイント2の170個のコップを回収します。
ポイントに到着し、各自ばらけて目印のスズランテープを頼りにコップを見つけ、恐る恐る覗いていきます。
あ、コップあった。よしよし獣害にはあってないな。どれどれ、、、。
、、、お?
、、、、おおお?
おおおおおおおお!?
キタァアアアアアアああああああ!!!!!!
入ってる!見たことないの入ってる!オオルリオサムシ入ってる!いやぁ~良かった、、、。
ヌルかタコ採れか結果を見るまで分からないコップトラップ(しかも筆者は人生初のコップトラップ)、採れるかどうかとても心配だったのですが本当に安心しました。
その後もコップを回収していくと、入ってる入ってる、なんと僕が回収した最初の10個のコップには計4匹のオオルリオサムシが落ちていました。正直ニヤニヤが止まんない(笑)。ラインを見ると他の班員の方もしっかり採れている様子。
結局このポイントでは18匹のオオルリオサムシを採集できました。
※写真は回収途中。下の小さめなオサムシはエゾアカガネオサムシ。ここのオオルリは全て赤色(縁が金緑色)でした。
採れたとなると途端に気持ちが大きくなるメンバーたち。このペースで採れたら、、、なんて馬鹿な計算を始めてしまいます。
でもとりあえず落ち着いて。残りのトラップは全て明日回収なので今日のところは昨日採れなかったエゾマイを取るべく山の方に側溝漁りに出かけます。(ワンチャンオオルリも、とか思ってます。)
気持ちを切り替えて山に到着し、グーグルマップで目星をつけていた側溝を見て回るもどうも微妙。落ち葉が少なすぎるうえにどうやら水が流れたような跡があります。筆者は側溝漁りの経験もないのでよく分かりませんがこれはダメそうだと、ふと目に入った立ち枯れに手鍬を振り下ろします(無意識)。すると、、、。
あ、なんか出た。
ん?、、、
、、、エゾマイやん!
なんとエゾマイがぽろっと出ちゃいました。ちょっとキモイっちゃあキモイ緑色の前胸。地元のヒメマイとは明らかに違って感動。
平地ではもう活動開始していたようですが、いくらか標高を上げるとまだ冬眠中みたいです。ん~難しい、、、。
気をよくしてみんなで山に入り熊鈴をリンリンいわせながらエゾマイを探します。しかし河川敷とは違い良い材も多くなく、1匹追加するにとどまりました。
まぁまぁ、エゾマイなら河川敷のコップでいっぱい採れるから(根拠のない自信)。とにかく今日は一カ所目のトラップ回収が大成功に終わり久しぶりに材割りもできて楽しい一日でした。
ちなみに今まで黙ってましたが今回ゲンゴロウ狙いのトラップもしかけてました。結果は清々しくも完全なヌル。駄虫一匹かかりませんでした。さすがにゲンゴロウはまだ活動してないか?
さぁいよいよワクワクの最終日。残り四ヶ所のトラップを全て回収します。
まずは三日目の終盤に見つけた良い感じの林。オオルリオサムシのエサであるカタツムリの死骸がたくさん落ちていたので期待大です。
さぁいざ拝見。
お!落ちてんじゃん!
、、、ん?
いやエゾマイじゃねーか!
嬉しいけども、けどもね、違うのよ、あなたじゃないの。あなたのことはそれほど、なんて。
結局この林はエゾマイしか出ませんでした。林の様子は昨日回収したポイントと似てるんだけど、、、。
次に回収した河川敷のトラップはエゾマイ1匹にエゾアカガネオサムシがいくらか。あと前胸が赤いベッコウヒラタシデムシが印象的でした(さりげに初見)。
余談ですが北海道には例のオオヒラタシデムシによく似たヒラタシデムシというシデムシがいます。大きさはそんなに変わらずこちらは北海道固有種だそうです。初日からよく見かけ、オオヒラタシデムシとは雰囲気が違ったので「こいつはエゾの香りがする、多分エゾヒラタシデムシだ!」なんて言ってたのですが、まぁ半分当たり半分はずれでなんとも微妙な感じでした。
引き続きコップ回収。次は二日目に仕掛けたところ。ここでは7匹のオオルリオサムシを追加できました。昨日のオオルリと違って青・緑・黒の固体が採集できました。オオルリは産地によって色が変わります。ただ今回の旅で採集したのは全て同じオオルリオサムシ原名亜種です。
個人的にオオ「ルリ」の名前通りの青色が採れてうれしかったです(記事最後にきれいな写真載せときました)。まぁ真のオオ「ルリ」オサムシはこんな低地では採れないのですが、、、。
~まとめ~
最初に述べた通りGWはオオルリにはやや時期が早く、出かける前から多くの人にそのことは指摘されていたのですが、僕らが北海道に滞在していた五日間は運よく記録的な好天に恵まれ、北海道が全国で一番暑かったなんて日もありました。この暖かさのおかげでオオルリオサムシがこの時期にしてはよく動き回ってくれたのだと思います。
また、林の環境ですが、一見同じようなすぐ近くの林でもあっちでは採れてこっちでは採れない、ということがあったりしてオオルリ採集の難しさを感じました。体感としてはなるべく湿った林、林床は枯れ葉ではなく下草がパラパラと茂っている林が良いのかと感じました。林にカタツムリの殻が多く落ちていると期待大ですが、今回のようにエゾマイがたくさんいるだけ、なんてこともあるのでやはり難しいです。
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(文責:虫班員M)
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